妊娠中に安全にできるヨガポーズ(トリメスター別ガイド)
強く、穏やかに、そして中心を保つために。このE-A-Tガイドでは、妊娠中ヨガの“なぜ”を医学的に解説し、1・2・3トリメスター別に安全なポーズと必須の修正ポイントをまとめました。(イラスト付き)

妊娠は、身体的にも感情的にも大きな変化の時期です。
体が変化していく中で、身体を動かし、ストレスを軽減し、自分の力を再確認する方法を見つけることは、これまで以上に重要になります。
妊娠ヨガ(プリネイタルヨガ)は、医師や助産師から最も推奨されるアクティビティのひとつです。
安全に行えば、妊娠中の腰痛・坐骨神経痛などの悩みを和らげ、出産に必要な筋力を養い、神経を落ち着かせる低負荷の運動になります。
でも、不安に感じるのは自然なこと。
本当に安全? ねじっていい? 何を避けるべき?
このガイドはE-A-TおよびYMYL(Your Money or Your Life)に基づき、ACOG(米国産婦人科学会)のガイドラインを参照しながら、
なぜ修正が必要なのか、そして安全にできるポーズをトリメスター別に詳しく解説します。
Table of Contents
- ゴールデンルール:妊娠ヨガの安全チェックリスト(YMYL)
- Part 1: 第1トリメスター(1–13週)
- Part 2: 第2トリメスター(14–27週)
- Part 3: 第3トリメスター(28–40週)
- 重要:妊娠中に避けるべき5種類のポーズ(YMYL)
- Part 5: ヨガに必要な基本ツール(アフィリエイト)
- Frequently Asked Questions (FAQ)
ゴールデンルール:妊娠ヨガの安全チェックリスト(YMYL)
マットに立つ前に、妊娠があなたの体にどんな影響を与えているか理解する必要があります。
- 必ず医師の許可を得る
これが最重要ルール。妊娠は一人ひとり異なるため、どんな運動でも始める前に医師または助産師に確認を。 - ホットヨガは禁止(例外なし)
体温が大きく上がる運動は胎児に危険であるためACOGが禁止。
ビクラムヨガや加熱クラスは避けてください。 - ホルモン「リラキシン」の影響を理解する
妊娠中は靭帯がゆるみ、柔らかくなる一方で不安定になります。
今は、最大可動域に挑戦する時期ではありません。 - 20週以降は仰向けのポーズを避ける
子宮が大きくなり、仰向けになると下大静脈を圧迫して血流を妨げ、めまい・吐き気の原因に。 - 体のサインを最優先に
痛み・息切れ・めまいがあれば即ストップ。
Part 1: 第1トリメスター(1–13週)
目的: 体力維持、つわりの緩和、リラックス
エネルギーが低く、流産リスクが最も高いため、やさしい動きを中心に。
1. キャット・カウ(Cat-Cow)
(四つん這いで背中を反らせたり丸めたりするイラスト)
- 方法: 手は肩の真下、膝は腰の真下で四つん這い。
- 吸う(Cow): お腹を下げ、胸と尾骨を持ち上げる。
- 吐く(Cat): 背中を丸め、床を押してへそを見る。
- 安全な理由: 妊娠中に最も安全で万能なポーズ。背骨をやさしく動かし、腰痛を緩和。
2. チャイルドポーズ(Child’s Pose)
- 方法: 四つん這いからつま先を合わせ、膝を広げてお腹のスペースを確保。
お尻をかかとへ近づけ、額を床またはブロックへ。 - 安全な理由: 骨盤・太もも・腰をやさしく開く。いつでも休めるポーズ。
Part 2: 第2トリメスター(14–27週)
目的: 筋力、安定性、重心の変化への対応。
エネルギーが戻り、お腹も目立ち始める時期。
1. ウォーリアII(Warrior II)
(妊婦が安全に行う戦士のポーズIIのイラスト)
- 方法: 足を前後に開き、前足の膝を90度に。腕を横に伸ばす。
- 安全な理由: 下半身・骨盤・体幹の強化に最適。陣痛に必要な筋力を養う。
2. ゴッデススクワット(Goddess Pose)
- 方法: 足を広く開き、つま先を外側に。膝を曲げて骨盤を下げる。
- 安全な理由: 骨盤底筋・太もも・お尻を強化。「分娩姿勢」の予行練習にも。
3. 三角のポーズ(Trikonasana)
- 方法: 前足を外側へ。前方に倒れ、すねかブロックに手を置く。
- 安全な理由: ブロックが必須。妊娠でゆるんだ骨盤関節の過伸展を防ぐ。
Part 3: 第3トリメスター(28–40週)
目的: 開放、準備、骨盤底のゆるめ方を学ぶ。
お腹が大きくなり、圧迫感・腰痛・疲労が増える時期。
1. ガーランドポーズ(Malasana)
(妊婦がブロックに座るマラサナのイラスト)
- 方法: 足を腰幅よりやや広めに、ゆっくり深いスクワット。
- 重要修正: お尻の下にブロックを置いてリラックスできるように。
- 安全な理由: 最強の“出産準備ポーズ”。骨盤底をやさしく開き、産道の準備を促す。
2. 合蹠のポーズ(Baddha Konasana)
- 方法: 座って足裏を合わせ、膝を外側へ。ブランケットで骨盤を前傾。
- 安全な理由: やさしい股関節オープナーで、呼吸法の練習にも最適。
3. 壁キャット・カウ(Pelvic Tilts)
- 方法: 壁に背中をつけて立つ。
- 吸う: 腰を少し反らす。
- 吐く: 腰を壁へ押しつけて骨盤を後傾。
- 安全な理由: 第3トリメスターの腰痛緩和に最適。腹直筋離開(DR)を避けながら深部体幹を強化。
重要:妊娠中に避けるべき5種類のポーズ(YMYL)
- 深いねじり(Closed Twists)
→ お腹を圧迫。軽い“オープンツイスト”のみOK。 - うつ伏せポーズ(コブラ・バウなど)
→ 第2トリメスター以降は不可能。 - 深いバックベンド(ホイール・キャメルなど)
→ 腹筋の過伸展+腹直筋離開の悪化を招く。 - 仰向けのポーズ(道具なしのシャヴァーサナなど)
→ 下大静脈を圧迫。
修正: 左向きに横になる or ボルスターで45°に上体を起こす。 - 強い腹筋運動(Boat Pose・クランチ)
→ 腹圧が上がり、腹直筋離開を悪化。
Part 5: ヨガに必要な基本ツール(アフィリエイト)
必要なものは少しだけ。でもあると安全性が大きくUP。
- 滑り止めヨガマット
重心が変わるので安定性が重要。
→ 高グリップヨガマット - ヨガブロック
床が“遠く”なる妊娠期には必須。安全な修正ポーズに必ず必要。 - ガイド付きレッスン
認定プリネイタルインストラクターの指導が最も安全。
→ オンライン妊娠ヨガクラス
Frequently Asked Questions (FAQ)
Q: ヨガは流産を引き起こす?
A: いいえ。
科学的にその証拠はありません。
妊娠初期の流産のほとんどは染色体異常が原因です。
Q: ダウンドッグは妊娠中も安全?
A: はい、多くの妊婦さんにとって安全です。
第3トリメスター後半は圧迫が不快になる場合があります。
Q: ワイドスタンスで恥骨に痛みが出るのは?
A: 恥骨結合機能不全(SPD) の可能性が高いです。
ワイドポーズは中止し、足幅を狭くして練習してください。
Q: 妊娠ヨガと骨盤底の関係は?
A: ヨガは骨盤底を鍛えるだけでなく、
ゆるめる・開く練習ができる貴重な方法。
出産には“ゆるめ方”がとても重要です。
- 詳しくはこちら:
骨盤底エクササイズガイド
Medical Disclaimer
本記事は情報提供・フィットネス目的であり、医療アドバイスではありません。
新しい運動を始める前には必ず医師または助産師に相談してください。
痛み・不快感・めまいがあればすぐ中止してください。
About the Author
Abhilasha Mishra は女性の健康・妊活・妊娠の専門ライターです。
科学に基づく情報を誰でも理解できる形にすることを使命としています。