お子さまが就学時期に近づくと、「準備はできているかな?」と不安になるのは自然なことです。覚えておきたいのは、入学準備とは“すべての文字が書けること”や“計算が得意であること”ではないという点です。大切なのは、社会性、情緒の成熟、コミュニケーション能力、そして運動能力など、子ども全体の発達です。このチェックリストは、お子さまがどこで伸びているか、どんなサポートが必要かを優しく確認するためのものです。
これはテストではなく、観察と励ましのためのツールです。新しいステージを笑顔で迎えられるようにすることが目的です。
入学準備チェックリスト
このチェックリストは4つの主要な発達領域に分かれています。お子さまがどれだけのマイルストーンを満たしているか確認してみましょう。
社会性・情緒的スキル
- 親から離れても過度に不安にならない: 信頼できる保育者や先生と一定時間過ごせる。
- 他の子どもに興味を示す: 近くで遊んだり、一緒に簡単な遊びを楽しむ。
- 言葉で感情を表現できる: 「うれしい」「かなしい」「おこっている」などの言葉を使える。
- 簡単なルールを守り、順番を待てる: 順番の概念を理解し、2〜3ステップの指示に従える。
言語・コミュニケーション
- 5〜6語の文を話せる: 自分の気持ちや考えを文章で表現できる。
- 簡単なお話をしたり歌を歌える: 『きらきら星』のような歌を覚えている。
- 2〜3ステップの指示に従える: 「くつを取ってドアまで持ってきてね」などの指示が理解できる。
- 自分のフルネームを言える: 名前と名字を答えられる。
認知スキル
- 10個以上の物を数えられる: 物を指さしながら数えることができる。
- アルファベットの一部を認識できる: 自分の名前の文字などを識別できる。
- 形や色で分類できる: 基本的なカテゴリ分けができる。
- ごっこ遊びをする: 想像力を使って物語を作ったり遊んだりする。
身体・運動スキル
- 走る・ジャンプする・登る: 大きな動きを自信を持って行える。
- ハサミを使える: 紙を切るなどの細かい作業ができる。
- 正しい持ち方で鉛筆・クレヨンを持てる: 握りこぶし持ちではなく、三点持ち・四点持ちができる。
- トイレや手洗いをほぼ自立して行える: 基本的な生活スキルが身についている。
家庭でできる入学準備サポート
入学準備のベストな方法は“遊び”です!日常生活の中に楽しく取り入れられます:
- 毎日一緒に読む: 言語発達と読み書きの基礎づくりに最も重要です。
- ゲーム遊び: ボードゲームやカードゲームは、順番を待つ練習・ルール理解・数の感覚に役立ちます。
- 創作遊び: クレヨン、紙、ハサミ、粘土などで手先を使う遊びを増やす。
- ごっこ遊びを促す: 変身ごっこやおままごと、ブロック遊びなどは認知と社会性の発達に最適。
- プレイデートを設定: 気軽に子ども同士で交流できる機会をつくる。
重要な医療上の注意
このチェックリストは一般的な発達指標を示すものであり、診断ツールではありません。お子さまの発達に関して持続的な不安がある場合は、小児科医に相談してください。