代謝の「司令塔」とも呼ばれる甲状腺は、生殖機能にも深く関わっています。甲状腺ホルモンは月経周期や排卵の調整に欠かせません。甲状腺が低下(甲状腺機能低下症)または過剰(甲状腺機能亢進症)になると、ホルモンバランスが乱れ、妊娠しにくさにつながることがあります。
このリスク評価は、甲状腺疾患に関連する一般的な症状やリスク要因を理解するための教育ツールです。医療診断の代わりではなく、医師との相談を始めるための第一歩として活用してください。
甲状腺と妊娠しやすさの重要な関係
甲状腺ホルモンはエストロゲンやプロゲステロンなどの主要な生殖ホルモンと直接相互作用します。バランスが乱れると以下のような影響が生じます:
- 月経異常:周期の乱れ、経血量の増減、無月経などが起こり、排卵の予測が難しくなる。
- 無排卵:甲状腺の乱れにより排卵が起こらない場合があり、妊娠が不可能になる。
- ホルモン干渉:甲状腺機能低下症ではプロラクチンが上昇し、排卵を抑制することがある。
このリスク評価の仕組み
このツールは、甲状腺機能の乱れに関連する主要な要因について質問し、あなたのリスクを把握する手助けをします:
- 症状チェック:疲労、体重変化、寒がり/暑がり、便秘、不安・動悸など。
- 月経状況:周期の規則性、期間、経血量など。
- 病歴:自己免疫疾患(1型糖尿病・ループスなど)や家族の甲状腺疾患。
リスク評価後のステップ
結果は低・中・高リスクに分類されます。中・高リスクの場合は医師に相談し、TSH を含む血液検査を受けることが重要です。多くの甲状腺疾患は治療可能で、適切な治療によって月経周期が整い、妊娠しやすさが改善する可能性があります。
妊娠前に甲状腺を整える重要性
妊娠初期、赤ちゃんは母体の甲状腺ホルモンに完全に依存しています。未治療の甲状腺疾患は流産、妊娠高血圧症候群、早産、発達リスクの増加につながる可能性があります。
重要な医療メモ
このリスク評価は診断ツールではありません。甲状腺疾患は医師による診察と血液検査でのみ診断できます。気になる症状や妊娠しにくさがある場合は必ず医師に相談してください。